平成27年税制改正~資産税関係~

遂に、平成27年1月1日より相続税の基礎控除額が引き下げとなりました。

 

相続税はこれまで、死亡者全体の4%ほどの人が対象となるものでしたが、改正により6~7%になる見込みです。

割合だけを見るとやっぱり少なそうなイメージですが、これまでの「1.5倍に増える」というと他人事ではなくなってくるのではないでしょうか。


相続税の基礎控除の引き下げ

基礎控除とは、

一言でいえば、「これ以下であれば、相続税がかかりません」というラインです。

基礎控除を超えた部分の財産の価額に対して相続税が課税されます。

 

その基礎控除額が引き下げになります。

〈平成27年1月1日以後開始の相続について適用〉

 

   改正前 現行(H27.1.1以後)
基礎控除 5,000万円+法定相続人数×1,000万円   3,000万円+法定相続人数×600万円
 
 
例えば・・
 法定相続人3人(子)だった場合
  改正前 現行 (H27.1.1以後)

 課税価格の合計額

1億円の場合

相続税額 200万円

〈1億円-5,000万円+3人×1,000万円=2,000万円〉

相続税額 630万円(430万円UP

〈1億円-3,000万円+3人×600万円=5,200万円〉

 課税価格の合計額

5,000万円の場合

 相続税額 0円(申告不要)

相続税額 20万円 (申告が必要になる

〈5,000万円-3,000万円+3人×600万円=200万円〉 


相続税率の見直し

相続税の税率は、超過累進税率(財産額が多いほど税率が高くなる)になっています。
これまで、50%だった最高税率を55%へ引き上げる改正が行われました。
〈平成27年1月1日以後の相続又は遺贈について適用〉
 
  現行 改正後(H27.1.1以後)
税率 1,000万円以下  10% 1,000万円以下  10%
3,000万円以下  15% 3,000万円以下  15%
5,000万円以下  20% 5,000万円以下  20%
1億円以下    30% 1億円以下    30%
  2億円以下    40%
3億円以下    40% 3億円以下    45%
3億円超     50% 6億円以下    50%
  6億円超     55%

 

上記の税率は、課税遺産総額にかかるのではなく、法定相続人が法定相続分により取得したものとした各人の課税価格に対して適用となるものです。

 

税率の引上げの影響が出てくるのは、課税遺産総額に法定相続分を乗じて2億円を超える場合になります。


小規模宅地等の特例の見直し

小規模宅地等の特例とは、
被相続人の自宅や事業用の敷地などについては、一定の部分までは評価額を減額することにより相続税の負担を軽減しようとするものです。
 
今回の改正では適用対象の拡大や適用要件の緩和となっています。
 
①特定居住用宅地等にかかる特例の対象面積が240㎡→330㎡に拡充
改正前  

現行

(H27.1.1以後) 

    減額割合 限度面積

 

限度面積
被相続人等の事業の用に供されていた宅地等 特定事業用宅地等 80% 400㎡   400㎡
特定同族会社事業用宅地等 80% 400㎡   400㎡
貸付事業用宅地等 50% 200㎡   200㎡
被相続人の居住の用に供されていた宅地等 特定居住用宅地等 80% 240㎡   330㎡
②特例対象として選択する特定事業用等宅地等と特定居住用宅地等が各適用対象面積まで併用が可能に
 例えば・・・
 特定居住用宅地等 180㎡、特定事業用宅地等 360㎡の場合
改正前 現行 (H27.1.1以後)

360㎡+180㎡×5/3=660>400㎡  全体が対象とならない

特定事業用宅地等 360㎡

特定居住用宅地等   24㎡

特定事業用宅地等 360㎡

 360㎡≦400㎡

特定居住用宅地等 180㎡

 180㎡≦330㎡

 

それぞれで限度面積を判定し適用可能

この場合、対象地のすべてについて適用できる

又は

特定居住用宅地等 180㎡

特定事業用宅地等 100㎡

 
③二世帯住宅で構造上区分のあるものの敷地の用に供されている宅地についての特例適用範囲の緩和 (H26.1.1以後)
 1棟の二世帯住宅で構造上区分のあるもの(建物内部で互いに行き来ができない)と特例の適用ができなかったものを、
被相続人及びその宅地を相続・遺贈で取得した親族が居住していた部分に対応する土地が特例対象となります。
  
④特定居住用宅地等の被相続人の居住要件の緩和 (H26.1.1以後)
 老人ホーム入所により空き家となっていた被相続人の自宅の敷地について特例対象となる要件が緩和されます。
 ・介護を受ける必要性がある
 ・建物を貸し付けた事実がない
 上記の2要件を満たすことで特例対象になります。

未成年者控除・障害者控除の見直し

未成年者控除、障害者控除は、相続税の納税義務者のうち未成年者、障害者について納付すべき税額を控除する特例です。
  改正前 現行(H27.1.1以後)
未成年者控除 6万円×(20歳-相続開始時の年齢) 10万円×(20歳-相続開始時の年齢)
障害者控除 6万円×(85歳-相続開始時の年齢) 10万円×(85歳-相続開始時の年齢)
(特別障害者) 12万円×(85歳-相続開始時の年齢) 20万円×(85歳-相続開始時の年齢)